ヴァレンティーナ・バルバロとエコーズ・オブ・エンパイア:第12話「オーロラに立ち向かう」
オーロラに立ち向かう
アービター・タイタン号から盗んだ資料の中にアクセスコードのリストがあったが、アステリアス号に戻るまで確認する時間がなかった。積極性に新しい事へ取り組む密輸業者、そしてミアズマに強い思い入れを持つヴァレンティーナは、すぐにコードを使って巨大な船に妨害工作を仕掛け、たった2つのコードで侵入した。
彼女の名前、ミアズマ、シギス・ステーションの痕跡はすべてデータバンクから消され、キッチンテーブルに置かれた何の変哲もない、小さなデータチップに記録されたものだけが残された。 無害に見える銀色の金属片の片面にはチップ本体が、もう片面には製造者の名前が書かれているだけ。こんなに小さい物が、ヴァレンティーナの今までの経験や、想像をはるかに超える厄介者となった。
今、決断を迫られている。
もちろん、その情報は価値があり、長々と保持しておくには貴重過ぎた。遅かれ早かれ、船に忍び込んで資料をかき集めたことがバレるだろう。バレたら終わりだ。彼女は小さな密輸業者で、その情報を欲しがる存在は、邪魔者を平気で殺すような者たちだった。ヴァレンティーナはこの時点で、自分が使い捨ての駒であることに気がついていた。
消されたくはない。
誰かに追いつかれる前に大金を手にすることができれば、長い間隠れていられる資金が調達できる。リゾートの惑星でのんびりするのもいいかもしれない。先のことはわからない。完全に引退して、マテオのように自分の小さな密輸拠点を設立できるほどに十分な額になるかもしれない。
どちらにせよフェリックスにこの話を持ち込んだのは正解だった。ヴァレンティーナには貴重な情報を売れるようなコネはなかったが、フェリックなら取引相手を見つけることができる。
きっと大変なことになる。3つの派閥の関係が激化しているという噂を聞いていた。確かに、アービターズが強力な武器を探しているとしたら、大事になるのは間違いなかった。
ヴァレンティーナは戦争について何も知らなかったし、興味もなかった。戦争はいつもすべてを困難にし、得をするのは戦争を引き起こす者たちだけだった。
再びデータチップを見て、胃の中に溜まった恐怖に目を閉じた。直面したいと思っていた以上のものに、銀河とどう向き合うか考えさせられた。
涙をこらえながら、ヴァレンティーナはフェリックスの番号を通信機に入力した。オーロラズ・エッジに行かなければならない。
早くこのデータチップを破棄したかった。
ヴァレンティーナ・バルバロは、セレスティアル・クレーム先行販売最後の星団となる、オーロラズ・エッジに向かいます。彼女の到着後、この星団のセレスティアル・クレームはすぐに先行販売が開始される予定です。
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出典:Gala Games Medium: Echoes of Empire
原文:Face the Aurora — Part 12 — Valentina and the Echoes of Empire