エコーズ・オブ・エンパイア物語: 第5話「セレスティアス・ノックス」

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セレスティアス・ノックス

ヴァレンティーナは時々、小銭稼ぎの将軍やでっち上げの宇宙海賊が支配する地域よりも、セレスティアス・ノックスのような、少し危険な宇宙の地域を通過することがあった。セレスティアス・ノックスを通過する理由はミアズマ (瘴気) だった。帝国の地図製作者たちは何世代にもわたってミアズマを研究してきたが、その目的や感性や構成については、ほとんど不明であり、高エネルギー、粘性、高輝度の物質で構成されており、油断したパイロットや船を破滅へと導く、という事しか分かっていなかった。セレスティアス・ノックスは閑散とした宇宙空間ではなく、起業家が沢山いて、豊かな小惑星帯や、ミアズマの先端ギリギリに沿って作られた採掘地域もあった。採掘地域のコミュニティーをサオポートする為に急遽、宇宙基地も建設され、その中でも「オールド・ノックス」は、帝国の古い拠点で、現在も稼働している数少ないマーク1追跡ステーションの一つで、帝国を銀河系から徐々に切り離していく、ミアズマの恒星を必死に監視していた。

ハウス・スペースから、セレスティアス・ノックスにつながるエンバーズ・グレイス星団に入るまで大変だった。急いで計画した二回のジャンプで、ギャリソンとの間に十分な距離は確保できたが、危険なミアズマ先端の脈動近くに着地してしまった。アステリアス号をここまで酷使するのは嫌だったが、それしか方法がなかった。ギャリソンを出し抜いたのではないか、という一瞬の喜びは 、FTL から離脱した数機のギャリソン攻撃船が追ってきていることを警告する大音量の警報によってかき消された。生きて帰る為には、何か作戦を練らなければいけない。

予想通り、ミアズマは何世紀にもわたって大量の屑を宇宙に排出している、ヴァレンティーナはそれを利用することにした。追跡して来るパイロットたちは戦争のために訓練され、飛行技術は高いかもしれないが、密輸業者にとっては、密輸を学ぶ事=追っ手の追跡を振り切ることであり、ヴァレンティーナが生きる為に学んできた様々な汚い手口をギャリソンは知らない。

「まずは、第一弾。」と独り言のように呟きながら、操作盤に指を走らせ計算する、「まずは照明弾と地雷で奴らの注意を引いてみよう。」

高価だったが、それだけの価値があった。スイッチを入れると、船の後部から何千もの小型宇宙地雷が大きな浮遊球体と共に発射され、二つ目のボタンを押すと、照明弾が点灯し明るい閃光が宇宙の暗闇を突き抜け、その閃光は意図した通りに自分の位置を明らかにした。ヴァレンティーナはニヤリ、と微笑んだ。

四隻のギャリソン攻撃船の標準は、アステリアス号に向けられていた。ヴェレンティーナは振り切れるまで発砲するな、と願った。殺したくはなかったが、向こうがこっちを生かしておく気もないだろう。攻撃船を故障させるか、振り切ってシステムから飛び出すのに十分な時間の距離を稼ぐしかない。

球体に取り付けられた小さなロケットが、四方八方に小さな光を放ち、円を描くように照明弾が発射されるが、眩しすぎて同時に放たれた小さな地雷が見えにくくなってしまった。

真空の宇宙空間では小さな爆発音は聞こえないが、地雷をよく知る彼女は、船に正面からぶつかったらどうなるか、分かっていた。

振り返ると一隻の船が消え、一隻が片側に大きく傾いていた。地雷の一つが安定装置に当たったのだろう、パイロットは船が即席された地雷原に突入しないように必死になっている。

良かった。真っ直ぐ進まない船の操縦は大変だ。

正直なところ、四隻のうち二隻を地雷で破壊できるとは思っていなかった。ヴァレンティーナは、まだチャンスはある。と自信を取り戻した。

注意を晒した後、ギャリソン基地へ接近するスペースジャンクの中へと船を降ろしていった。それは巨大な半壊した貨物船の残骸のようで、船体は側面を擦ることなく飛んでいけるほどの大きさがあった。ヴァレンティーナは残骸の中を縫うように進み、前方に開口部を見つけると追っ手の攻撃船を驚かせようと、左に大きく切り込んだ。

おまけに2回目の照明弾を船の残骸に向けて発射した。運がよければ濃い暗闇の中で放たれた閃光で方向感覚を失わせ、別のギャリソン攻撃船を追突させれるかもしれない。

二隻の船が戻って来ないのが分かると、ヴァレンティーナは安堵のため息をついたが、最初の船が破壊されるのを見ていないため気は抜けなかった。

スラスターの閃光をとらえ、そこから一番近い星にギャリソン攻撃船の姿を見つけたとき、「考えるのよ。」とつぶやいた。攻撃から脱出したのか、それとも元々地雷に当たらなかったのか、動きは鈍かったが、ダメージを受けている様子はなかった。彼女を探している攻撃船は小さいが軍仕様の装備で、少し武器を備えた運搬船のアステリアス号を直撃すれば破壊できる力があった。「何か違う作戦を考えるのよ。」

次の作戦を実行する前に追跡砲が船首内を這い抜け、数秒のうちに警報が鳴り響いた。追っ手が一隻では無いことに気が付いた時には圧力シールドが固定されていて、ヴァレンティーナは何度も何度も罵倒した。攻撃戦の破損は期待外れに健在で、いつでも攻撃する準備ができていた。スラスターを前進し、アステリアス号を小刻みに回転させ、二隻目の攻撃船を通り過ぎて残骸に向かった。より長いジャンプのためにエンジンを温めている間、船を隠す必要があった。

残骸に入ったことで追っ手が止まり、ヴァレンティーナが実際に赤道上のコースを描くのに十分な時間ができた。

最後の仕事に何か問題があったのは明らかで、それを放っておくわけには行かなかった。ヴァレンティーナは念の為、クルーシブルの座標を入力した。エンバーズ・グレイスの星団の中とはいえ、セレスティアス・ノックスからはかなり離れ、ギャリソンのパトロール範囲からも外れていた。

ヴァレンティーナは操作盤に手を叩きつけ、古い情報屋マテオのところに向かうことを決めた。なぜ自分が標的になったのか、何か知っているかもしれない。本当の意味で消え失せる時が来た。

第1話「ケプラーズ・レムナント」

第2話「独立保護領」

第3話「ライトスピア」

第4話「シェパード・ヴォイド」

Ion Games 作成、伝統的な4X 戦略ゲーム、エコーズ・オブ・エンパイア。プレイヤーは、守られた宇宙の地、ハウス・ゾーンに存在するケプラーズ・レムナントから旅を始めます。陰謀と危険に満ちた銀河を旅するヴァレンティーナと共に旅をしよう。

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